司法書士業務

発起人の決定書(同意書)に押印は必要か不要か

司法書士の中嶋です。

本記事では、株式会社設立の登記申請書に添付する本店所在地を定めるための「発起人の決定書」の押印要否について解説します。

先に結論から言えば、この「発起人の決定書」に押印は不要です。

株式会社を設立する際は本店所在地を定める必要がありますが、定款において本店所在地は最小行政区画(市区町村)までの記載で問題ありません。

ただし、登記上は番地まで含んだ本店所在地が記載されるため、定款で本店所在地を最小行政区画までしか定めていない場合は、発起人の過半数の一致によって番地まで含んだ本店所在地を定めなければなりません。

この場合、登記申請書に「発起人の決定書」を添付する必要があります(「発起人の同意書」や「本店所在場所決議書」などと呼ばれることもあります)。

なお、定款で番地まで含んだ住所を記載している場合は「発起人の決定書」は不要です。

定款で番地まで含んだ住所を記載するデメリットとしては、最小行政区画内で本店を移転した場合(例えば、高槻市内で本店を移転するケース)も定款の変更が必要になることです。

さて、この本店所在地を決定する「発起人の決定書」に以前は押印が必要とされていたようですが、令和3年1月29日法務省民商第10号通達により押印規定の見直しがなされ、押印は不要とされました。

私も「発起人の決定書」を作成する際に押印が必要か否か迷ったのですが、調べても具体的に「発起人の決定書」が押印不要の書類の例として記載されている情報は少なく、ネットで検索すると押印が必要と記載されている過去記事がたくさん出てきますので混乱を招きます。

そこで近くの法務局に電話をして確認したところ、「全国どこの法務局でも発起人の決定書に押印は不要」との回答をいただきました。

ですので、令和5年(2023年)現在では押印不要という認識で良いかと思います。

もし、今後法務局において押印を求められたという方がいましたらご一報いただけますと幸いです。

まぁ、発起人の押印が簡単にもらえるようであれば確認のためにもらっておけば良いと思いますけどね。

ちなみに、この「発起人の決定書」ですが、公告方法を電子公告にした際にサイトのアドレス(URL)を決める場合も必要になることがあります。

以上、発起人の決定書(同意書)の押印可否について解説させていただきました。

迷われている方は参考にしていただけますと幸いです。

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