司法書士業務

会社設立は司法書士と行政書士どちらに依頼するべきか。違法行為の境界線について

司法書士の中嶋です。

会社設立を考えておられる方の中には、司法書士と行政書士のどちらに会社設立の相談および依頼をするべきか迷われている方もおられることでしょう。

世間には司法書士と行政書士の違いが分からない方も多く、インターネットで「会社設立」などと検索しても司法書士事務所だけでなく行政書士事務所(あるいは税理士事務所)もヒットしますから、このような悩みももっともだと思われます。

私は会社設立に力を入れている司法書士ならびに司法書士試験および行政書士試験に合格している者(行政書士としては未登録です)として、以下に会社設立の相談および依頼を司法書士と行政書士どちらにするべきかについて解説したいと思います。

結論として、会社設立の相談および依頼をするべきなのは司法書士一択だと考えます。

株式会社や合同会社などの会社は、本店所在地において設立の登記をすることによって成立します(会社法第49条、第579条)。

会社設立の登記は管轄法務局に登記申請書および添付書類を提出して行うわけですが、法律上、法務局に提出する書類を作成することおよびそれについて相談に応じることは司法書士の業務となります(司法書士法第3条第1項)。

他の法律に別段の定めがある場合を除いて、司法書士(または司法書士法人)でない者はこれらの業務を行うことができません(司法書士法第73条第1項)。

他の法律に別段の定めがある場合として、司法書士以外で会社設立の登記申請を業務として行うことができるのは弁護士または公認会計士となります。

とは言っても、このうち試験科目に登記法があるのは司法書士試験だけですから、やはり登記の専門家は司法書士ということになります。

上記の規定(司法書士法第73条第1項)に違反することは非司行為(非司法書士行為)となり、違反した者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(司法書士法第78条第1項)。

つまり、行政書士が登記申請書類を作成することおよびそれについて相談に応じることは刑事罰に処せられる可能性がある犯罪行為となります。

行政書士は会社設立登記申請の添付書類となる定款の作成および認証手続きの代理を行うことはできますが、定款認証後の登記申請書類の作成および提出は本人が行うか司法書士に依頼することになりますから、結局は二度手間となります。

会社設立を行政書士ではなく司法書士に依頼するべき理由として、法律上の規定以外にも、司法書士試験と行政書士試験の違いも大きいかと思います。

会社設立登記には会社法および商業登記法の知識が必要になりますが、司法書士試験においては会社法および商業登記法は主要科目でありガッツリと(それこそ泣くほど)勉強するのに対して、行政書士試験においては会社法は主要科目と言うほどでもなく、商業登記法も試験科目ではありません。

定款作成に関しても会社法の知識は必須ですから、何か特別な事情があるのでなければ、会社設立の手続きは行政書士ではなく司法書士に一貫して任せた方が良いかと思われます。

専門家に依頼せず自分で会社設立手続きを行うという選択肢もありますが、司法書士に依頼した場合はスムーズに進むことはもちろん、費用も電子定款を利用することによりお得になり実質の報酬負担は数万円程度となることが多いです。

弊所では会社設立に関するご依頼およびご相談を随時承っておりますので、会社設立にご興味がある方は是非お気軽にお問い合わせください。

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