司法書士業務

「Co., Ltd.」は有限責任なので司法書士法人の英語表記には不適切だという話

司法書士の中嶋です。

近年、社員1人で司法書士法人が設立できるようになったこともあり、司法書士法人の数も増えてきているように思います。

私も株式会社を経営していて法人経営には興味がありますので、いつか司法書士法人を設立してみたいと考えています。

さて、本記事では司法書士法人の英語表記(英訳)について考えてみたいと思います。

司法書士法人のウェブサイトなどを見ているとたまに英語名に「Co., Ltd.」を付けておられる司法書士法人を見かけるのですが、「Co., Ltd.」というのは「company limited」の略で「有限責任会社」を表します。

日本で言うと、「Co., Ltd.」は株式会社(または特例有限会社)が妥当します。

社員全員が有限責任である合同会社も妥当するように思いますが、「LLC(limited liability company)」も同じく「有限責任会社」を表し、合同会社は日本版LLCとも呼ばれていますので、株式会社と区別する意味でも「LLC」で良いかと思います。

一方、司法書士法人は無限責任社員で構成されておりますので、「Co., Ltd.」を使用するのは誤りとなります。

司法書士法人の英語名として「Co., Ltd.」を使われている方は、会社(法人)の種類を偽ることにもなるかと思いますので、会社設立の専門家でもある司法書士としては気を付けなければなりません。

では、司法書士法人の英語表記としては何が適切なのでしょうか?

個人的には「judicial scrivener corporation」がベストではないかと思いますし、実際に多くの司法書士法人で使用されているようです。

「corporation」と「company」の違いは日本語で言う「法人」と「会社」のようなもので説明も難しく、「corporation」は大きな企業を表すのに用いられやすいようで社員が少ない司法書士法人の英訳として最適なのかという疑問もありますが、株式会社と区別する意味でも「corporation」で良いのではないでしょうか。

以上、司法書士法人の英語表記について簡単にご紹介しました。

司法書士法人の経営に携わる方はご参考にしていただき、また「Co., Ltd.」を使われているようであればご変更されることをおすすめします。

関連記事

新着記事
おすすめ記事
  1. 公証役場での翻訳文の認証およびアポスティーユ取得手続きと費用。自分でできる?

  2. 【タイ王国】ビザ申請に必要な戸籍謄本の英訳、公証および公印確認について

  3. 事務所のLINE公式アカウントを開設しました

  4. 【韓国留学ビザ】戸籍謄本の英訳文に対する公証役場での認証およびアポスティーユ

  5. 国際司法書士とは?国際司法書士になるのに資格は必要なのか

  1. 【一切皆空】司法書士試験直前期における不安の解消方法について

  2. 「司法書士」の正しい英語表記は「Judicial Scrivener」?

  3. 【多岐亡羊】司法書士試験の科目別難易度ランキング(配点・問題数など)

  4. 【独立独歩】司法書士試験は『オートマシステム』を使って独学で合格できるのか?

  5. 【一筆入魂】司法書士試験の記述式で使用するおすすめのボールペン

TOP