司法書士の中嶋です。
会社(法人)を設立する際、一般的には、管轄法務局に登記申請書を提出するのに合わせて印鑑を登録するための印鑑届出書を提出することになります。
この印鑑は会社実印(以下、「実印」)や代表者印などと呼ばれるもので、会社設立後、法務局が発行する印鑑証明書に印影が記載されることになります。
実印は登記申請の委任状(本人申請の場合は登記申請書)や印鑑届出書に押印していただく必要がありますので、会社設立をご依頼されたお客様には登記申請に先立って印鑑を作成していただくことになります。
ちなみに、商業登記規則が改正され、令和3年2月15日から登記申請をオンラインで行う場合は印鑑の提出が任意になりました。
また、印鑑を提出される場合でも、オンラインによる登記申請と同時に行う場合に限り、オンラインにより行うことができるようになりました。
このように制度上では印鑑の提出は任意になったのですが、実務上は会社を経営していくにあたって押印を求められるケースは多いでしょうし、(少なくとも当面の間は)印鑑の提出は必須だと思います。
会社設立にあたって印鑑を作成される際は、会社設立3本セットがおすすめです。
会社設立3本セットとは、一般的に実印、銀行印、角印がセットになったものです。
実印(代表者印)は法務局に登録し契約書などの重要書類に押印する印鑑、銀行印は銀行口座開設の際や銀行取引に使用する印鑑、そして角印は請求書などに押印する認印のような役割を果たす印鑑です。
会社設立の際には実印だけあれば足りますが、設立後の会社経営も考えると3本セットでまとめて作っておいた方が良いように思います。
3本セットに合わせて封筒の裏などに押印する住所印(ゴム印)もあれば便利ですが、これは必要になったタイミングで後から作成しても良いでしょう。
私が自分の会社(株式会社)を設立した際には「ハンコヤドットコム」というサイトを利用して印鑑を作成しました。
初めての会社設立だったこともあり、それなりのものが欲しくて素材は黒水牛にしましたが、それでも3本セットで値段は3万円程度とリーズナブルだったように思います。
しかし、私はオンラインで仕事をすることがほとんどで、会社設立から10年以上が経過しているにもかかわらず、残念ながら印鑑の出番はあまりありません(笑)。
しかも、現在ではコロナ禍もあって印鑑廃止の動きが進んでいるのか、年に1回の決算書類への押印も不要になったのでなおさらです。
「ハンコヤドットコム」は知名度が高いかと思いますが、印鑑作成を安く済ませたいのであれば、「いいはんこやどっとこむ」というサイトも見つけました。
柘(つげ)は安い素材ですが、それでも3本セットで1万円を切るのは凄いですね。
ちなみに、司法書士として職印と認印を作成した際にはチタンの素材にしたかったので、チタンの印鑑が安かった「華押堂」というサイトを利用しました。
検索すれば印鑑を販売しているネットショップはたくさん見つかるかと思いますが、素材やサイトによっても値段は大きく異なるかと思いますので、色々と比較してみてください(上記にご紹介したサイトをご利用される際は自己責任でお願いいたします)。
以上、会社設立の際の印鑑についてご紹介しました。
印鑑は長く付き合うものですから、せっかく会社設立されるのであればこだわってみてはいかがでしょうか。