「どうやったら英語ができるようになりますか?」
「勉強方法を教えて欲しい」
なぜだか周りから勉強ができる人だと思われているのかこんな質問をよくされるのですが、いつも答えに窮することになります。
と言うのも、私の勉強方法はとてもシンプルなもので、基本的にはテキスト(参考書)を開いて集中して読んでいるだけだからです。
傍から見れば読書をしているのと変わらないでしょう。
私はどうやら視覚優位で聴覚劣位の人間のようで、分かりづらい表現なのですが、本を読んでいるとそれぞれの文字が個性を持って浮かび上がり、時にはセクシーに見えてきます(老眼かも知れない)。
映像記憶や写真記憶と呼ばれる能力に似ているのかも知れませんが、とは言っても、私の記憶力は普通の人よりちょっと良いくらいで、大した労力もなく本一冊を丸暗記できるような天才ではありません(笑)
面倒くさがりな性格も手伝ってかどうもペンを使って書くという行為が苦手というか嫌いなようで、自分で勉強をしている際にテキストや六法などに何かを書き込むということはありませんし、マーカーを使うこともありません(移動中に勉強することが多いという事情もある)。
さすがに記述式などの勉強になると頭の中で書くのも限界があるので嫌々ながらノートに書くことになるのですが、それ以外の勉強に関してはもっぱらテキストを読み込んでいるだけです。
ですので、具体的な勉強方法を聞かれたところでテキストの読み方を教えるわけにもいかず、「勉強しろ」という禅問答のような答えしか出てきません。
脳科学的には文字を書いたり声に出して読んだりするのが効果的なのは分かっているのですが、机いっぱいにテキストやノートを広げて「いかにも勉強しています」というスタイルはあまり好きではありません。
勉強自体が嫌いになってしまっては元も子もないので、必要な場合を除いては「読書の延長」のようなスタイルで勉強を続けたいと思っています。
もっとも、現在取り組んでいる予備試験の勉強では論文メインになりますので、必然的に書く機会は増えそうですが・・・
それはさておき、特に司法書士試験などの難関試験においては具体的な勉強の手法よりも時間管理、集中力の維持に必要なメンタル管理の方がはるかに重要だと考えております。
時間管理においては、まずは試験の合格までに必要だと思われる時間を見積もり、試験日から逆算して1日あたりの勉強時間を計算し、それを日々のスケジュールに組み込んでいきます。
例えば、司法書士試験においては合格レベルに達するまで一般的に3,000~4,000時間程度は必要だと言われていますから、2年後の試験に合格したいのであれば、1日あたり平均して5時間(1年で1,825時間)前後を目安に勉強計画を立てていくことになります。
1日あたり平均して5時間の勉強時間が確保できないようであれば3~4年計画にしたり、また3,000~4,000時間程度の勉強時間では足りないと考えるようであれば合計勉強時間を増やしたりすることになります。
もっとも、私は4年間で合計4,000時間程度の勉強で司法書士試験に合格していますが、元々4年計画だったわけではなく、1年目は合格するつもりで2,000時間で勉強計画を立て、2~4年目は1年あたり数百時間~1,000時間程度の勉強計画を立てていました。
難関資格は「これだけ勉強すれば必ず受かる」という性質のものではありませんから、総勉強時間は頭に入れつつも、自分の生活において可能な範囲内で1年あたりの勉強計画を立てていくと言った方が正しいのかも知れません。
勉強時間を確保することができたら、後はその時間内に集中した勉強を継続するだけです。
なかなか結果が出ない人に限って、ロクに勉強時間も確保せず様々な勉強方法やテキストを試したりと表面的なテクニックにこだわる人が多いように思います。
勉強量をこなさないうちから「受からない」「成績が伸びない」などと嘆くのは早計で、時には勉強方法を振り返るのも大事ですが、とりあえず勉強量をこなすことが最優先で、量をこなせば自分に合った勉強方法というのは自然に身に付いてくるものだと思っています。
脳科学的見地から考えると人間にとって最適な勉強方法はある程度の傾向があるのかも知れませんが、個人の能力や好みによっても最適な勉強方法は変わりますし、まずは時間管理と集中力を維持するためのメンタル管理から考えてみてはいかがでしょうか。
もしあなたが数学は単純なものだと思えないというなら、それはあなたが単に人生がどれほど複雑なものかを理解していないからにすぎない。
――ジョン・フォン・ノイマン