司法書士試験

【不撓不屈】司法書士試験の合否を分ける分水嶺

今週の日曜日、七夕の日は令和初の司法書士試験ですね。

私は予備校講師ではないので、受験生の方に悪影響を与えかねない内容を書くのはあまり気が進まないのですが、自分も司法書士試験の直前は不安から他人のブログを読んでいたなぁ・・・と思い、合格した年の司法書士試験について書いてみることにします。

試験日の前日などはとりわけ不安を感じるかと思いますが(私は今でもこの時期になると不安を感じます)、それは当たり前の話であって、不安に意識を集中してしまうと良くなるどころかむしろ悪化します。

不安を解消するためには、いつも通りテキストを開いて集中した勉強をするしかないのではないでしょうか。

私は合格した年は4回目の受験だったので実力が付いてきたと共に慣れてきたこともあってか、試験日当日は心身共に最高の状態で、ある種の悟りの境地に達していたようでした。

ところがスムーズに択一を終えていざ記述式の問題を読み始めたところ、1問目が難しくて何度読み返しても答えが出てこず、一瞬頭が真っ白になり「あぁ、また来年か」との思いが頭に浮かんで泣きそうになりました。

多くのことを犠牲にして一生懸命勉強に取り組んできても、分からない問題が出てきたり時間が足りなくなったりして「一体、今まで何をやってきたんだろう」という気持ちにさせられます。

しかし、絶望を感じたその瞬間。

「これだけ勉強してきたんだから絶対に解けるはず。自分が分からないなら他のほとんどの受験生にも分からないはずだ。とにかく考えろ」との声が聞こえてきました。

そこで冷静さを取り戻し、じっくりと問題を読み返して深く思考を巡らせたところ答えが出てきて、勢いが付いたのかその後は最後までスラスラと回答することができ、結局記述式も総合も2桁の順位での合格でした。

私の合否を分けたと思われるその問題(平成29年度の不動産登記法1問目)は、合格レベルにある受験生だけでなく予備校講師も間違えたほどの難問でした。

もしあの時に心が折れていれば、他の問題の解答にまで影響を与えてしまって未だに受験生をやっていたかもしれません。

別に天からアマテラスの声が聞こえたわけでもブッダの声が聞こえたわけでもなく、聞こえてきたのは紛れもなく自分自身の声でした。

それまでの過去3年間の試験であれば、見たこともないような難問に立ち向かうと深く考えることを諦めて惰性で解いてしまったり飛ばしてしまったりしたのかもしれませんが、その年の記述式の勉強量は相当なものだったからこそ踏みとどまることができたわけです(もちろん、問題や残り時間によっては捨てた方が良いこともあります)。

試験が終わった後は自分の実力を出し切ったことで晴れやかな気分ではありましたが、合格している自信は全くなく、その後も合格発表までは不安がつきまといました。

一応の上位合格者でもそのような状況なのですから、不安を感じるのも分からない問題が出るのも当たり前と捉え、自分の実力を出すことに集中すれば良いのではないかと思います。

さて、今日はせっかくの曇りなのでランニングがてら神社に立ち寄ってくることにします(毎月の恒例行事になっています)。

同じ司法書士試験の苦しみを知るものとして、私の友人を含めた受験生の皆さんが無事に司法書士試験当日を迎え、そして自分の実力を遺憾なく発揮できるようお祈りしておきます。

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