司法書士試験

【一心不乱】模試(模擬試験)と本試験は全くの別物?模試の結果は気にしない

はじめに

平成30年度(2018年度)の司法書士試験まで残り約1ヶ月ですね。私はもう受ける必要はないのですが、友人にも何名か受験生がおり、試験が近づいてくるとなぜかこちらまで緊張してしまいます。

この時期は、各種予備校が主催する直前期の公開模試(模擬試験)を受けている方も多いのではないでしょうか。

私も独学で勉強していた2年目から4年目まで、予備校のLEC(東京リーガルマインド)が主催する直前期の公開模試を2~4回ほど受けていました(ちなみに1年目は資格の大原に通っていたのでそちらで受けていました)。

模試では記述がボロボロの時もありましたし、択一で20問(35問中)程度しか正解できなかったこともありました。

そんな時は、「自分は一体今まで何をやってきたんだ」と、自分がこれまでやって来た勉強に意味がないように感じて、深く落ち込んだこともあります。

しかし、模試の結果はそれほど気にする必要はないように思います。

予備校の模試と本試験は性質が違う

模試は文字通り本番ではないので結果が出なくても人生に影響がないというのはもちろんですが、私は何度か予備校の模試と本試験を受けているうちに、基本的な問題を除いて、模試と本試験では問題の性質が大きく異なると感じるようになりました。

その理由を一言で言ってしまうと、言葉は悪くなってしまいますが、「予備校の作問者には本試験の試験委員ほどの脳みそがない」と言うことになるかと思います。

例えば、私が受けていたLECの模試を例に挙げると、択一式で難しい問題と言えば、今まで聞いたことがないようなマニアックな条文や判例をただ単に知っているか聞くような問題や、問題や解答の選択肢で言葉遊びをして解答を導くのが困難な問題が多かったように思います。

一方、本試験においては、基礎知識を元に思考を練って解答を導き出すと言うような、法的思考力(いわゆるリーガルマインド)を求められる問題が多かったように思います。

模試で基礎問題を間違えたというのであれば一大事ですが、本試験で問われる可能性の極めて低いマイナー知識を問うような問題を間違えても気にする必要はありません(と言うか、知らないと解きようがない)。

自分で間違った理由さえ分かっていれば良いのです。

模試のデータの信憑性

模試と本試験には乖離があるとは言え、予備校の模試が指標にならないかと言うとそんなことはありません。

司法書士試験は上から順番に数百人ほどが合格する相対評価の試験ですが、合格者の多くはLECを含む予備校の模試を受けているでしょう。

模試と本試験では基礎的な問題においては重なる部分も多く、合格するような実力者の多くは当然模試でも上位に入ってくる可能性が高いです。

ですので、受講生が多い模試ほど、模試の結果に示される本試験の推定順位や合否判定にはそれなりに信憑性があります。

実際に、私も合格した年にはLECの直前模試を2回受けましたが、模試の結果は最高評価のS判定とその次に高いA判定でした。

ぎりぎりで落ちたその前年の模試は3回ほど受けたと思いますが、なんとかA判定を1回取ることができただけでした。

この結果を見ると、模試の順位と本試験の順位にはそれなりに関連性があるように思えますが、しかし、私が実際に合格した年の本試験の順位は、LECの模試の推定順位よりもかなり上の順位でした。

この主な理由は、前述の通り模試と本試験の相違によるものだと思います。LECに限らずそれぞれの予備校の模試にはクセがあるようで、その予備校の受講生や、模試を何度も受けて慣れている方の方が点数を取りやすいのだと思います。

模試の復習は必要か?

私は模試は主に時間配分の確認や記述式問題の練習を目的として利用していたこともあって、復習にはそれほど時間をかけませんでした。

模試の結果が思わしくなくとも、自分の普段使用しているテキストを何度も読み込むことを優先していましたので、模試の復習は間違った問題や気になった問題をさらっと見直す程度でした。

基本的な問題を間違えたのであればもちろん復習は必要でしょうが、それ以外のマイナーな問題を間違えたからと言って、ただでさえ時間のない直前期にそれらの見直しに時間をかけるのはもったいないように思います。

基礎の重要性は?本試験までの過ごし方

司法書士試験の勉強をしていると「基礎」と「応用」という言葉をよく聞くと思いますが、皆さんは基礎とは何だと思いますか?

私は、基礎とは「司法書士試験テキストに載っている全て」だと思っています。

11科目全てのテキストに載っている量は膨大ですので、その全ての内容を深く理解しようと思ったら相当な時間がかかります。

普段使用しているテキストに載っている情報以外を応用だと定義するならば、応用の勉強をしたくてもとてもじゃないがその余裕はありません。

ですので、直前期においても新しいことには手を出さず、テキストを何度も繰り返し読み込んで、深く理解することを心がけていました。

基礎を深く理解していれば、本試験でも思考を練って対処することができる問題が多いように思います。

以上、元受験生の一意見にしか過ぎませんが、いずれにせよ、模試の結果が悪かったとしても悲観している暇はないでしょう。これまで自分のやって来たことを信じて、本試験までの1分1秒を大切に、勉強に集中するのみです。

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