社会人として仕事をしながら司法書士試験の合格を目指されている方も多いことでしょう。
私は、司法書士試験はフルタイムで働きながらでも2年間で十分合格可能だと思います(2年間で合格していないのであまり偉そうなことは言えないのですが)。その理由として、1つは「4,000時間勉強すれば十分合格可能なレベルに達する」こと、もう1つは「働きながらでも1年間で2,000時間は勉強可能」なことが挙げられます。
私は司法書士試験の合格までには約4年間勉強しました(ちなみに、司法書士試験の勉強を始める前には半年強の勉強で行政書士試験に合格しています)。1年目は約2,000時間勉強しましたが、2年目以降は1,000時間以上勉強した年はなかったように思います。4年間での勉強時間の合計は、4,000時間を少し超えるくらいだったように思います。惜しくも記述で足きりとなった3年目で合格レベルに達したと実感し、4年目は結果から見るとかなり余裕があったようです。
私は勉強よりも仕事を優先していて、すぐに司法書士になることは考えていませんでしたので、2年目以降はかなりベースダウンして結局4年間かかりましたが、1年目と同じペースで勉強すると、2年目で十分合格できたのではないかと思います(合格レベルに達してもなかなか受からないのがこの試験の怖いところでもあるのですが)。
私の仕事は翻訳会社の経営で、会社勤めのサラリーマンの方(ここでは、雇用されてフルタイムで働く方を総称してこう呼ぶことにします)に比べると時間に融通は利くのですが、責任はそれなりにありますし、それほど負担は変わらないように思います。
しかし、2年間で4,000時間勉強しようと思うと、1年間で2,000時間、1日あたり平均して約5時間半勉強しなければなりません。1週間では約38時間半と、フルタイムの仕事を掛け持ちするようなものです。
フルタイムで働きながら短期合格を目指される方は、まずこの事を頭に入れて逆算して勉強のスケジュールを立てる必要があります。
私は、1年目は2,000時間勉強することを目標にしていましたので、1日あたり5時間程度勉強することを目安にしていました(ちなみに、1年目は予備校に通っていましたので、予備校での授業時間も含みます)。
仕事がある平日に5時間の勉強時間を確保することは相当に大変で、日中は急いで仕事を終わらせ、仕事が終わった夕方からカフェなどを利用してまとめて勉強していました。土日ももちろん勉強でしたが、基本的に勉強するのが好きな私は、土日は仕事の事を考えず、ゆっくりと勉強できるのを幸せに感じたものです。
1年目に2,000時間勉強することはできたのですが、受かる気で挑んだ始めての本試験で完膚なきまでに叩きのめされた後、それまでの疲れもどっと出て、完全に放心状態となりました。
兼業受験生が1年で合格するのは相当な無理があるようですので、働きながら短期合格を目指す方は、始めから2~3年間は勉強するつもりでスケジュールを立てた方が良いのではないかと思います。しかし、それでも仕事を効率よくこなした上で、仕事以外の時間は全て勉強に捧げるという覚悟が必要です。兼業受験生にもかかわらず2年間で合格すると周りからは相当秀才扱いされることでしょう(天才と呼ばれることもあるかも知れません)。
一方、専業受験生の方は、1年あたり2,000時間は勉強したいところですね。サラリーマンの労働時間と変わらないくらいですから、やる気があれば余裕だと思います。一発合格を目指される方は、3,000時間以上は勉強した方が良いかと思います。私も一度で良いから、専業で勉強して一発合格目指して勝負したかったところです。