司法書士試験

【多岐亡羊】司法書士試験の科目別難易度ランキング(配点・問題数など)

司法書士試験は全11科目(憲法、民法、刑法、会社法(商法)、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業登記法)から出題されますが、科目別の難易度を以下にランキング形式でご紹介したいと思います。

なお、ランキングは私の個人的見解であること、また難易度はその法律自体の難易度ではなく、あくまで司法書士試験における難易度を意味していることにご注意ください。

1位:不動産登記法

民法と迷いましたが、不動産登記法は時間制限が厳しい午後に出題されること、また不動産登記法の記述式の難易度は年々上昇傾向にあることから不動産登記法を1位にしました。なお、不動産登記法には民法の理解が必要不可欠なので、勉強の順番は民法の後となります。

配点:83点(択一48点、記述35点)
問題数:17問(択一16問、記述1問)

2位:民法

その他の科目の基礎ともなる民法は、司法書士試験で最も重要な科目です。午前の択一の半分以上を占める民法の問題の難易度は高く、民法ができるようにならなければいつまでたっても司法書士試験には合格できないでしょう。

配点:60点
問題数:20問

3位:会社法(商法)

会社法の条文はとにかく長く、暗記中心の科目で苦痛なので、会社法で挫折する方も多いようです。しかし、一度覚えてしまうと楽な科目と言えるでしょう。なお、記述のある商業登記法と迷ったのですが、商業登記法の記述は会社法が分かっていればそれほど難しくはないので、3位は会社法としました。

配点:27点(会社法24点、商法3点)
問題数:9問(会社法8問、商法1問)

4位:商業登記法

会社法と一緒に勉強するのがおすすめです。私が使用していたテキスト(『オートマシステム』)では、会社法とセットになっていました。最初の頃は会社法の知識が浅いこともあって、商業登記法もなかなか得点が伸びなかったのですが、一定のレベルを超えると、択一も記述も得点源とすることができました。

配点:59点(択一24点、記述35点)
問題数:9問(択一8問、記述1問)

上位4位までは、当然のことながら主要4科目がランクインしました。5位以下はマイナー7科目になりますが、マイナー科目と言っても難化傾向にある科目もあって侮れません。いかに短い勉強時間で効率よく得点するかがポイントとなってきます。

5位:民事訴訟法

5位は憲法と迷いました。実は、私は裁判の場面がイメージできる民事訴訟法は一番好きな科目なのですが、憲法3問に対して民事訴訟法は5問出題されること、また難化傾向にあり、得意科目とは言っても全問正解するのは難しいので5位に選びました。好き嫌いが分かれる科目かも知れませんね。

配点:15点
問題数:5問

6位:憲法

司法書士試験ではマイナー科目扱いですが、民法・刑法と並んで最も重要な法律の一つです(厳密に言うと法律ではありませんが)。がっつり勉強しようと思ったらかなりの時間を取られるでしょう。条文数が少ないので条文を読み込むのもおすすめです。

配点:9点
問題数:3問

7位:刑法

法律としては一番難しい科目かも知れません(法科大学院生談)。司法書士試験においてはそれほど難しい問題は出ません(たまに難しい問題が出る年もある)ので、どれだけ時間をかけずに得点できるようになるかが課題です。ちなみに、私は憲法と刑法が結構好きで、合格まで4年かかったこともあって結構がっちりと勉強したおかげか、すっかり得意科目となりました。憲法も刑法も、ベテランで合格しない人は意外と取りこぼしている印象ですね。

配点:9点
問題数:3問

8位:供託法

似たような規定ばっかりでややこしいです。何度覚えても細かいところは忘れるので、試験直前に記憶するのがおすすめの科目です。3問あるので侮れません。

配点:9点
問題数:3問

9位:民事執行法

1問しか出題されない割に、勉強範囲は結構広いです。実は他の科目とも関わりが深い重要な科目なのですが、試験までの時間が無ければ真っ先に捨てることを検討する科目でもあります。

配点:3点
問題数:1問

10位:民事保全法

量が少なくて楽な科目なのですが、民事訴訟法・執行法・保全法は似たような規定があって混乱するので、比較しながらまとめて勉強するのが良いでしょう。

配点:3点
問題数:1問

11位:司法書士法

こちらも量が少なくて楽な科目です。最悪、直前の数時間の勉強でも何とかなるかも知れません。ちなみに、筆記試験合格後の口述試験ではそれなりに重要な科目です。

配点:3点
問題数:1問

司法書士試験の試験範囲は膨大で、どの科目から勉強したら良いか分からず迷路に迷い込む方も多いかもしれませんが、民法と不動産登記法が一番重要であることには変わりありません。その2つに会社法と商業登記法を加えた主要4科目は短期間で何とかなるものでもないので、まずは主要4科目を徹底的にやり込みましょう。

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