司法書士試験の一受験生として、これまで数年間勉強してきた経験から合格に必要な勉強時間について考えてみたいと思います。
私は今年(2017年)で4回目(4年目)の受験で、今は本試験の結果待ちの状態ですが、去年に引き続き今年も択一では大幅の貯金(恐らく逃げ切り点確保)が出来そうで、去年は惜しくも記述の基準点に届かなかったものの、今年は記述もまあまあの出来なので、限りなく合格に近い人間だと思っています(まあ、この状態から数年かかる人もいるようですが・・・)ので、合格に必要な勉強時間とは、合格レベル、すなわちいつ合格してもおかしくないレベルに達するまでの勉強時間という前提で考察します。
個人的な見解ですが、司法書士試験の合格レベルに達するまでに必要な勉強時間は、勉強期間が1年間だと合計で約3,000時間、2年間以上だと合計で約4,000時間は必要なのではないかと感じています。
複数年だと勉強時間が増える理由は、時の経過によって記憶が薄れ、復習に要する時間も増えていくからです。
1年間で3,000時間に到達するためには、平均して1日8時間程度の勉強が必要になります(8時間×365日=2,920時間)。一般的なサラリーマンの年間労働時間が2,000時間程度であることを考えると、かなり大変に思われるかもしれませんが、専業受験生であれば、1日8時間程度の勉強は習慣になってしまえばそれほど苦には感じないと思います。
ちなみに、私は兼業受験生ですが、1年目は2,000時間程度勉強しました。仕事以外はほぼ勉強という毎日でしたので、1年目の受験後はさすがに疲れてしまい若干うつ状態になりました。2年目からは仕事と趣味を優先させたこともあって少しずつ勉強時間は減っていきましたが、4年間の合計で4,000時間程度は勉強したかと思います。
1年目に2,000時間程度勉強した理由は、『オートマシステム』著者の山本浩司さんの他の書籍に「合格に必要な勉強時間の目安は1,800時間」といった旨の記載がされており、一発合格を狙っていた私は2,000時間を目標にしていたからです。ただ、司法書士試験も難化が進んでいるようですし、山本浩司さんも東大法学部卒のかなり頭の良い方ですから、現在の一般的な受験生には当てはまらないかもしれません。
1年目は予備校の「資格の大原」に週3日程度通って勉強を続けました。模試では最高のA判定も取っていたのですが、本試験では択一の基準点に及ばず、模試とのあまりの難易度の差(特に記述)にショックを受け、まだまだ勉強時間が足りないと実感しました。
合格までは時間がかかりそうだと思ったので、2年目からは仕事と趣味優先の生活に変え、予備校で基礎が出来ていたこともあって『オートマシステム』を利用して独学で自分のペースで勉強を進めることにしました。2年目以降、予備校を利用したのは直前模試だけでした。
2年目以降ペースダウンしたこともあり、勉強時間が3,000時間を超えてきた3年目から択一の基準点も軽く上回るようになり、合格レベルに達したと感じるようになりました。
ですので、合格するには最低3,000時間~4,000時間程度の学習は必要だと思いますが、私の周囲でこの程度の勉強時間で合格している人はもともと素質があったり、頭がよく勉強が出来たりする人が多いように思います。合格するまでに10,000時間以上勉強する人もいるでしょうし、いくら勉強しても合格出来ずに撤退していく人もいます。一発合格するような人は1年間で3,000時間程度は勉強しているかと思いますが、下地がなくて2,000時間程度の勉強時間で合格する天才かよほど運の良い人も中にはいるでしょう。
個人的には、「集中」した勉強を続けていれば必ず合格出来る試験だと思いますが、相当なエネルギーと時間を要する試験ですので、これから受験しようと考えている方は、それなりの覚悟が必要になるかと思います。
司法書士試験の勉強をしていると、時間は瞬く間に過ぎていきます。時間は有限であり、「輪廻転生」などの考え方を除いて、自分の人生は一度きりしかありません。自分の時間を何のために使うのかは、最優先で考えるべきことです。司法書士試験に挑む前に、「本当にやりたいことなのかどうか」、「自分にとって本当に必要なのかどうか」について考えてみることをお勧めします。
ちなみに私が司法書士試験の勉強を始めた動機ですが、私は司法書士になりたいという気持ちはさらさらなく、ただ単に「勉強が好き」、「法律の勉強がしたい」という知的欲求からくる至極単純なものでしたが、その方が続けやすいのかもしれません。しかし、いくら勉強するのが好きだといっても、法律の勉強に多くの時間を費やすことによってその他の多くのものを犠牲にし、辛くてやめたいと思った時期もありましたが、元来の負けず嫌いな性格のお陰もあってここまで勉強を続けてくることが出来ました。
私の好きな言葉の一つに「Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.(明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。)」というインドの弁護士であり政治指導者であるマハトマ・ガンジーの有名な言葉がありますが、日々の集中的かつ継続的な努力が必要な司法書士試験の受験生にとってはぴったりの言葉だと思います。