司法書士試験

【諸法無我】平成29年度(2017年度)司法書士試験受験レポート・前日編

平成29年度(2017年度)の司法書士試験が終わりました。筆記試験の合格発表日は約3ヶ月後の9月27日(水曜日)の午後4時です。不安な気持ちで毎日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

今後の受験生の方に役に立つ情報もあるかもしれませんので、今回の司法書士試験の受験レポートを残しておきたいと思います。

兼業受験生の私は今回で受験4回目ですが、先に私の受験結果に軽く触れておきますと、今回は今までの試験の中では最高の出来でした。自分の実力は出すことが出来たのではないかと思います。

択一は午前が29/35、午後が31/35でした。記述は商業登記法がほぼ完璧、不動産登記法は3つある内の1つの欄(抵当権の債務者変更抜かし)を除き、細かなミスはあるものの埋めることが出来ました。

去年は記述の基準点さえ超えれば合格というところで惜しくも涙をのんだのですが、今年はまあまあ記述の出来が良いので、去年よりはかなり可能性があるのではないかと思っています。

試験前日の土曜日。雨が多い週でしたが、幸運にも午後からは雨が上がり、試験当日の天気予報も晴れ(または曇り)でした。

私は2回目の受験から試験前日は試験会場近くにホテルを取っています。一番の理由は時間短縮のためです。試験本番の集合時刻は午前9時なので、朝早くに起きなければなりません。私は朝が苦手ですし、自宅から試験会場までは1時間はかかりますので、試験前日の緊張の中、朝早く起きなければならないという気持ちが更にプレッシャーになって眠れなくなることもあります。

ホテルから試験会場まではタクシーを利用しますが、10~20分もあれば行ける距離のあるホテルを選ぶようにしています。睡眠不足は判断ミスを誘いますので、少しでも睡眠時間を稼ぐためにはホテルに泊まるのがおすすめです。

今回、私は受験地に神戸を選んだので、試験会場は甲南大学でした。甲南大学の最寄り駅は阪急の岡本駅、JRは摂津本山駅となります。近くには手頃なホテルがなかったので、JR芦屋駅前にある「ホテル竹園芦屋」に泊まることにしました。

宿泊料金は1泊13,500円でした。シングルルームで予約したのですが、公式サイトから予約したこともあってかダブルルームにグレードアップしてくれました。

残念ながら、試験前日で浮かれている暇はなかったので写真は一切撮っていません。せっかくなので周辺を散策したりホテルのレストランで高級な食事(ステーキが有名)を堪能したりお洒落なバーで飲みたいところですが、そんなことをしている暇はありません。旅行気分を抑え、試験当日に備えて勉強に取り組みます。

ホテルにチェックインする前に、近くにあるセブンイレブンで翌日の朝ご飯と飲み物をいくつか購入します。梅雨時ですので、賞味期限は必ずチェックする必要があります。おにぎりなどは賞味期限が短いので、本試験当日のお昼ご飯は当日の朝に買います。午後3時過ぎにホテルにチェックインし、部屋に入って一息ついた後に最後の勉強に取りかかります。

木造の自宅で勉強していると、この時期はクーラーが効いていても梅雨の湿気のせいかなかなか集中するのが難しいのですが、ホテルは空調が効いていて、気持ち良く勉強に集中することが出来ました。難点と言えば、持参出来るテキストが限られているところでしょうか。私が持参したのは『オートマプレミア』3冊(民法2冊と憲法・刑法1冊)です。試験直前期に毎日3問解いていた記述は午前中に自宅で済ませていました。

民法は言うまでもなく一番重要な科目ですし、刑法は何度やっても忘れる執行猶予を前日に覚えようと思っていました。

ホテルの部屋にはコーヒー、紅茶、お茶、ミネラルウォーターが備え付けられています。コーヒーは避け、暖かいお茶を入れて午後4時前に勉強を始め、あっという間に3時間が経過しました。集中していると、本当に時間が瞬く間に流れていきます。

ホテルにはレストランがあり、部屋からテイクアウトを注文してフロントで受け取ることも出来ます。午後7時になり、1階のレストランに行って食事をしようかと思いましたが、芦屋のホテルで食事をしているどことなく優雅な人たちに囲まれて気分が変わるのが嫌だったので、テイクアウトを注文して部屋で食事をすることにしました。

この日注文したのは験を担いで「カツ」丼。お値段は約1,400円となかなか高級です。「ホテル竹園芦屋」はお肉が有名なようで、カツ丼のお肉は風味があり美味しかったです。胃もたれしないように、よく噛んで食べます。

ホテルの部屋の静寂の中、食後にはまた勉強を再開します。「試験前日はあまり勉強しない方が良い」と言う方もいるようですが、私は試験前日もいつも通り勉強します。これはできる限りのことをやって試験当日を迎えたいのもありますが、心を落ち着かせるためでもあります。試験前日は気が張り詰めており、何もしていないと不安が積み重なって夜寝ることが出来そうもありません。勉強に集中していると心が落ち着きます。また、脳みそを使うと疲れが溜まって眠りにつきやすくなるでしょう。

午後10時にはベッドに入ろうと決めていたので、9時前にはお風呂に入りました。出来るだけ身軽に本試験に臨みたいので、着替えを出してお風呂に入る際に、自宅から着用してきたTシャツとパンツは捨てました。

お風呂に入った後は最後に気になっていた論点をもう一度見直し、携帯のアラームと部屋に備え付けのモーニングコールを余裕を持って午前6:30にセットしてベッドに入ります。

すぐには眠りに付けませんでしたが、大してあせりはしませんでした。いつも寝ているのは12時頃ですし、「眠れなくて当たり前」と思っていました。「万が一、一睡も出来なくても5時間くらいならなんとかなる」という自信もありました。

何も考えず、ただ目を閉じて横になっていました。するといつも通り12時頃には睡魔が来て、意識が遠のいていくのを感じました。六甲山をバックに、芦屋の夜が落ちていきます。

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