株式会社を設立する場合には、発起人(ほっきにん)が定款(ていかん)を作成し、公証人にこれを認証してもらう必要があります。株式会社以外の会社である合同会社・合資会社・合名会社においても定款作成は必須ですが、認証は不要となります。
定款とは、会社運営のルールブックのようなものです。会社の名称・目的・本店所在地・機関構成・事業内容など、組織運営の基本事項を定めた根本規則です。
定款は、会社設立の際に発起人が作成します。会社成立後に定款内容を変更する場合には、株主総会を開催して、そこで株主の承認を得る必要があります。
定款作成はすべての文言を自分で考えて作成するわけではありません。司法書士の実務では、複数のパターンの定款フォーマットを利用し、発起人からこれから設立する株式会社の内容を聞き取った上で、その内容に合わせて作り替えていきます。
次に定款認証について説明します。定款認証とは、公証役場で公証人の認証を受ける手続きです。株式会社では、公証人の認証を受けていない定款で会社設立登記を申請しても却下されます。公証役場は、全国に約300箇所あります。各公証役場には、複数人の公証人が所属している場合もあれば、1人だけの場合もあります。
公正証書遺言の作成などは、管轄がなくどこの公証役場で作成しても構いませんが、定款認証には管轄があり、設立する株式会社の本店所在地と同一の都道府県内の公証役場に所属する公証人でなければ効力がありません。
例えば、本店所在地が大阪市内の株式会社であれば、大阪府内にある本町の公証役場でも、梅田の公証役場でも、高槻の公証役場でも構いませんが、兵庫県内にある尼崎の公証役場で認証を受けた定款で大阪市内の会社を設立することはできないということです。
公証人に定款認証をしてもらう場合には手数料がかかりますが、手数料は設立する会社の資本金の額によって異なります。
現在(2026年5月時点)での手数料は、資本金が100万円未満の場合は3万円、100万円以上300万円未満の場合は4万円、300万円以上の場合は5万円となっています。ただ、定款認証に必要となる費用はこれだけではありません。
定款認証が完了すると、公証人の認証文が別紙として添付された定款の謄本を受け取ることになります。この謄本の交付には数千円かかります。
定款認証には、原則として印紙代が4万円かかりますが、電子認証(オンライン申請システムを利用した定款認証)を利用する場合には、この収入印紙代の4万円はかかりません。
つまり、書面で認証を申請する場合には、認証手数料(3~5万円)+謄本代(数千円)+収入印紙代(4万円)がかかり、電子認証の場合には、認証手数料+謄本代がかかることになります。
電子認証の場合には認証定款をCD-Rに入れてもらうので、紙の謄本は必要な場合に交付してもらうことになっています。実務では、1~2通の紙の謄本を交付してもらうケースが多いです。
電子認証を発起人が自分で行う場合、パソコンの申請システムの環境や電子署名ができるソフトなどを揃える必要があり、やや手間がかかりますので、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
では、ここからは、司法書士に依頼した場合の定款作成から電子認証が完了するまでの流れをみていくことにしましょう。あくまでも一般的な流れですので、状況によって異なる場合もあります。
まず、発起人から定款作成に必要な情報を聞き取ります。そこから定款案を作成し、発起人に内容を確認してもらいます。定款内容が確定したら、公証人に内容などに不備がないかチェックを依頼します。
この際に、発起人の身分証(運転免許証やマイナンバーカード)、印鑑証明書、実質支配者の申告書などのデータを、メールなどで公証役場に送ります。
公証人のチェックが完了すると、定款認証日時を予約します。定款認証の申請自体はインターネットを通じて行いますが、基本的に予約した日時に司法書士が公証役場に赴きます。
司法書士が公証役場に行く理由は、発起人の委任状や印鑑証明書の原本の提出、代理人である司法書士の本人確認、手数料の支払い、認証済みの定款の受け取りなどを行うためです。郵送とテレビ電話システムを利用して、実際に公証役場に行かない方法も選択できますが、近くであれば公証役場に直接行くケースが多いです。
定款認証の予約が完了すると、予約した日時に合わせて段取りを組んでいくことになります。公証役場には、発起人から司法書士に対する委任状と発起人の印鑑証明書を提出することになります。
つまり、予約した日時までに委任状に発起人個人の実印を押印してもらい、印鑑証明書を預かっておく必要があるわけです。この際に、登記申請に必要な押印書類も一緒にもらっておくのが一般的な流れです。
書類が揃ったら、予約日時までに完成した定款(PDF)に司法書士の電子署名を付与し、オンライン申請システムを通じて公証人に定款認証を申請します。最後に、予約日時に公証役場に赴き、代理人である司法書士の本人確認(よく利用する公証人であれば省略されます)、必要書類と空のCD-Rの提出(CD-Rは、公証役場で用意してくれる場合もあります)、手数料の支払いを済ませて、しばらく待てば認証は完了します。
認証が完了すると、認証済みの定款が収められたCD-Rと謄本などを受け取って、定款認証手続きはすべて終了となります。印鑑証明書は原本還付を希望すれば返却してもらえます。
会社設立での重要ポイントは、「設立登記申請日=会社成立日」であることです。したがって、会社設立希望日をあらかじめ決めてもらい、その日から逆算した段取りのスケジュールを組むことになります。
会社設立については、司法書士であれば定款作成および認証から登記完了までを通して代理することができます。スケジュールの制約もあるでしょうから、登記実務に精通した司法書士に任せることが安心です。
大阪府高槻市の司法書士中嶋国際法務事務所では、株式会社の設立に伴う電子定款作成および認証に関するご相談・ご依頼を承っております。対応地域は、高槻市周辺の北摂地域(高槻市、茨木市、吹田市、摂津市、島本町など)を中心に、大阪府下全域および全国対応を行っております。
電子定款作成および認証に悩まれている方は、ぜひ一度お気軽に当事務所までお問い合わせください。

