司法書士の中嶋です。
先日、J-KISS型新株予約権の発行に関する登記申請依頼を受けました。
J-KISS(Japan – Keep It Simple Security)とは、アメリカのシリコンバレーで普及しているKISS(Keep It Simple Security)を日本向けにアレンジしたもので、新株予約権を用いた資金調達の際に使用される投資契約書のひな形のことです。
今回は日本国内の株式会社(代表取締役が外国人)からのご依頼でしたが、J-KISS型新株予約権の投資家は外国会社(代表者も外国人)でしたので、投資契約の締結も英文契約書を用いてなされました。
募集新株予約権の発行の登記申請は登記すべき事項が膨大になります。英文契約書を読み込んだ上で登記申請書類の作成に取り掛かりましたが、幸いなことに、新株予約権の発行要項は日本語で記載され別紙で添付されておりましたので、契約書を翻訳する必要はなく、発行要項を基に登記すべき事項を整理することができました。
さて、登記申請の添付書類には、新株予約権の引受けの申込み又は総数引受契約を証する書面(総数引受契約書)が必要になります。
今回は総数引受契約でしたので、英文の総数引受契約書の原本を和訳と共に提出する必要があるのかと悩んでおりましたが、色々と調べていると以下の情報に行き当たりました。
「複数の契約書により一の総数引受契約が締結された場合における募集新株予約権の発行に係る総数引受契約を証する書面の取扱いについて(通知)」(令和4年3月28日付法務省民商第122号)には、以下のとおり記載されています。
募集新株予約権の発行による変更の登記の申請書に、募集新株予約権の発行会社の代表者が作成した総数引受契約があったことを証する書面に総数引受契約書のひな形及び引受者の一覧表を合綴したものが添付された場合には、当該書面を法第65条第1号の総数引受契約を証する書面として取り扱って差し支えない。
なお、総数引受契約があったことを証する書面には、総数引受契約書の枚数、引受けがあった募集新株予約権の数、募集新株予約権の払込金額(無償で発行する場合を除く。)及び割当日を記載し、当該記載事項のとおり総数引受契約があったことを証する旨を記載した上で、発行会社の代表者が記名する必要がある。
つまり、総数引受契約を証する書面として、以下の書面を合綴して添付することで足りるようです。
- 募集新株予約権の発行会社の代表者が作成した総数引受契約があったことを証する書面
- 総数引受契約書のひな形
- 引受者の一覧表
そして、1.の総数引受契約があったことを証する書面には、以下の事項を記載して、発行会社の代表者が記名します。
- 総数引受契約書の枚数
- 引受けがあった募集新株予約権の数
- 募集新株予約権の払込金額(無償で発行する場合を除く。)
- 割当日
なお、引用した上記の通知には「複数の契約書により」と記載されており、今回の案件は投資家が1社で契約書も1部しかなかったのですが、契約書の原本を添付することなく、上記の方法で無事に登記申請が受理されました。
法務局によって取り扱いが異なる可能性はありますので、不安な方は事前に管轄法務局に照会することをおすすめいたします。
大阪府高槻市の司法書士中嶋国際法務事務所では、J-KISS型新株予約権を含む新株予約権の発行や行使に関するご相談・ご依頼を承っております。投資家が外国人で英文契約書を締結する場合にも対応可能です。対応地域は、高槻市周辺の北摂地域(高槻市、茨木市、吹田市、摂津市、島本町など)を中心に、大阪府下全域および全国対応を行っております。
新株予約権の発行をご検討されている方は、ぜひ一度お気軽に当事務所までお問い合わせください。
